A Letter From Kristen
FROM CALIFORNIA,WITH LOVE
子供の頃ワシントンD.C.の郊外で育った私にとって、カリフォルニアはまさに憧れの地でした。
90年代半ば、『VANS』『ROXY』『NO DOUBT』が流行の最先端で、私にとっては最もクールな存在でした。その頃の私はイースター・サンデーにボサボサの髪で花柄のワンピースを合わせ、“Made in California”のVANSを誇らしげに履いていた子供でした。
そんな私がスタートアップしたこの会社は、その頃住んでいたテキサス州オースティンの自宅のキッチンから始まり、2011年についにカリフォルニアに拠点を移しました。(公私にわたるパートナーであるトムが、故郷の学校を卒業したいと希望していました。)その時、私はとうとう自分の家に帰ってきたかのような、安堵した気持ちになりました。
そして全ての商品に“Made in California”と誇らしげに刻印し、ずっと夢に見た憧れの地での生活に心踊らせていました。
私たちにとって“Made in California”とは「注入・混合・測定・ラベリング・梱包・出荷・デザイン・試験・検品」の全ての工程を、ここ南カリフォルニアのチームによって行っているということです。『ローカルショップ』や『スモールショップ』、『インディペンデントショップ』などはここ10年で広まった言葉ですが、それはどうして?
P.F.は現在においてもトムと私が所有と運営を行なうインディペンデントな会社です。つまり収益面だけでなく、顧客や労働環境、そして従業員に対しても私たちの手に決定権があるということです。私たちは短期的に利益を上げることよりも、優れた品質で長く愛されるブランドを目指すことに重点を置いているのです。
また全ての製品が自社生産であるため、製品の品質は棚の端から端まで保証することができます。まず原材料が倉庫に到着した瞬間から品質管理チームが対応し、生産ラインに入る前に慎重に確認していきます。ガラス製品やインセンスのスティックが不良品でないかチェックし、また各キャンドルの芯は全て手作業で瓶の中心に合わせていきます。生産ラインから保管・出荷される前には、品質管理チームが全体の10%を確認し、厳格な基準を満たしているか検査します。そこから、各生産ロットのインセンスやキャンドルを燃焼し、外観の美しさだけでなく、香りや性能がそれぞれ基準を満たしているかも確認していきます。このように全てを自社にて行うことで、顧客が商品に不満があった場合、すぐにその原因を調査し、問題のあるロットを追跡、改善することが可能になります。それを可能にするのはP.F.の各商品に付いているバッチコードで、生産担当者や使用したワックス、製造日などの商品の品質が識別できるようになっています。嬉しいことにこれまで多くのスタッフが、「自分の担当した商品のバッチコードを店頭で見かけると、本当に誇らしく思える」と語ってくれました。私たちの商品はハイブランドと同レベルの品質でありながら、より手頃な価格で顧客に提供されています。
自社生産の最後の利点は、顧客は最大限のサービスを受けることができるということです。あなたが購入したキャンドルは全て手作業で行われ、問い合わせにも私たちのチームが全て対応しています。「Esty」でのショップ運営の頃から、関わってくださる全ての顧客のおかげでブランドが存在していることを理解し、一人ひとりの注文ごとに手書きのメッセージを同封してきました。私たちの顧客対応への信念はその当時から変わっていません。もしあなたがカスタマーチームにコンタクトすると、そこには人間味を感じることができると思います。つまり私たちの顧客コミュニティには真の思いやりがあるということです。もちろん届けられたストーリーやレビュー、コメントは、社内チャットやニュースレターで会社全体へ共有されます。
カリフォルニアは私の想像を遥かに超える素晴らしい場所でした。ロサンゼルスに一度も訪れたことがなく、この街には『ハリウッド』しかないと思っている方には、ぜひこの都市を構成する驚くほどに多様な文化や伝統を知ってもらいたいです。カリフォルニアが二つの大きなマーケットにアクセスしやすく、歴史的に製造業の伝統がありそれを活用できる場所であったことは、私たちのビジネスが成長する助けとなりました。そしてまたカリフォルニアの大好きなところは、多くの人々と同じくビーチや山、砂漠です。それらが全て車で2時間以内の距離で楽しめます。人々、文化、料理の多様性に加え、有名建築や世界レベルの美術館など素晴らしいデザインの宝庫であることは言うまでもありません。もしひとつの場所に飽きたとしても、このカリフォルニアの中だけで、永遠の旅人のように移り住むことができます。
もちろんカリフォルニアに欠点がないわけではありません。そのために、ここカリフォルニアに拠点を置くブランドの一つとして、意識高く、可能な限り最善を尽くして取り組んでいます。パラフィンワックスの代わりにソイワックスキャンドルを生産することで、原材料調達から廃棄・リサイクルまでのライフサイクルにおける炭素排出量を大幅に削減し、私たちが排出する炭素量と相殺しています。(またより多くの人がソイワックスまたは植物性ワックスに切り替えることでも炭素排出量削減の手助けにもなります。)この地では生活コストが高く、家を持たない人も増えています。その中で私たちは、公平な賃金と全額補助の医療提供を約束することでチームを守り、さらに『LA FOOD BANK』などの組織と提携して、より大きなコミュニティを支援するために取り組んでいます。
私は12歳でキャンドルの注ぎ方を学び、その10年後、P.F.Candle Co.の前身となるEtsyショップを立ち上げました。このブランドの始まりこそが、私たちが商品の全ての過程を自分たちで行う理由です。生産過程に中間業者を介さないことは、キャンドルの生産に関わる人々と私たちが暮らすこの地域を繋げ、またそれぞれの商品の品質と管理に最大限集中することを可能にしました。私の原点はモノづくり、特にホームフレグランスにあり、現在ではこの伝統を受け継ぐチームがいてくれるほどに成長を遂げました。そう、カリフォルニアから愛を込めて。